肝移植までの出来事2

入院

翌日住民票の届けがすんだことを確認して病院へ行く。5500円の初診料を払い小児科を受診する。中国語の所見を翻訳したものを準備していたので説明をする。

内容的には疑いが濃いが再検査をするとの説明をうける。便の状態を質問されたたが、写真等を準備していなかった。便を待つ事になったが幸いにちょうど便が出て医師が確認し、準急患で即日入院となった。

入院した病院は付き添いが必要と言うことだったが、ホテルはチェックアウトしていなかったので看護師に説明をし一旦ホテルに戻る。またドラッグストアで入院の説明で聞いた必要な備品を購入する。

担当医の話ではおそらく3ヶ月ぐらいの入院になるとの事なので貸しベットでは無くAmazonでキャンプ用のコットとシュラフを購入。到着する間で1日必要であったが椅子で寝ることにした。

手術の準備と胆道閉鎖症以外の可能性を除外するのに約2週間程検査を行うとの事。

 

胆道閉鎖症手術1回目

出生から38日目。葛西式手術*1)を行う。
手術は8時間の予定。小児科に入院中だが、手術後は小児外科に転科になることから一旦ベットを片づけ、フリースペースで待つ。

手術はほぼ予定どおり終了。ICQにて長女と面会するが麻酔がきいており眠っている。医師の説明では手術は計画通り終了。数日ICUで過ごし小児外科の重傷室に移動するとの事でこの期間は付き添いは出来ないので数日間はホテルで過ごすこととなる。数日後ICUから重傷室に移動する。体にはまだかなりのチューブ類がついており抱っこ出来るような感じではなさそう。

手術の効果として便の色がウグイス色に色づいており良い傾向との説明を受ける。看護士の話ではもっと色がつくはずとの事。

その後1週間程で一般病棟へ戻る。まだドレーンがつながっている状況ではあるが抱っこぐらいはしても問題が無いとの話。でもそんなの怖くて無理。

 

そしてきょうから再び付き添いの生活が始まる。

術後2週間程は色の付いた便がでてはいたが、徐々に色が無くなっていく。感覚としては色が無くなると言うより、便の中にウグイス色の固まりがあった物が徐々に少なくなって行く感じ。徐々に減っていたウグイス色の便がついに2回に1回しか出ないと明らかに以前の状態にもどりつつある。このころは一日3回の浣腸があったのだが、便の色に一喜一憂する日々が続く。

ここからステロイドパルス治療*2)行う事になる。
副作用としてステロイドの影響により数日間は機嫌がわるく、異常に元気なので夜泣きが止まらない。この間(経験上開始2日目がひどく)はフリールームで長女をベビーカーに乗せたまま朝まで過ごす事もあった。

ステロイドの効果は絶大で治療開始当初は再び便に色がつき始めるのだが、治療が終了すると便は元の状態に戻ってしまう。これを数セット行うが徐々に効果がなくなっていくのがわかる。

都合4回ステロイドパルスを行ったが効果が無く2回目の葛西式手術を行う事となる。
明日は手術

 

2回目の手術内容としては、CTの結果腸との接合部のねじれがあり肝臓内にbile lake*3) (胆汁のたまり)が発生している。再度開腹をし接合部の洗浄をし再度腸との縫合を行う。この手術の効果は50%*4)程度と聞いた記憶がある。

 

ここまでステロイドを常用していた為に予防接種が出来ていなかった。ステロイドを服用していると免疫がつかないらしい。これによりロタウイルスの接種タイミングを逃してしまう。

 

参考(医者じゃ無いのでイメージだけを)

*1)葛西式手術:閉鎖している胆道を切除し肝臓と腸と接続することで肝臓内で生成された胆汁を腸に送る手術。

*2)ステロイドパルス治療:数日にわたるステロイド注入を1クールとして数クール行う治療。医学的にはよく知らないが子供が躁鬱状態になる。

*3)bile lake :肝臓内に出口を失った胆汁が溜まっている状態。今回は肝臓と腸の接続部がねじれ胆汁が腸に排出されず、肝臓内に溜まっていると推測。

*4)胆道はイメージとして肝臓と腸をつなぎ胆汁を腸に送る器官であるが、実際に胆管が肝臓の内部まで繋がっており木の根の様に肝臓中を巡っている。葛西式手術により肝臓の外側の”詰まり”は解消されるが、肝臓内の細かな胆管までも詰まっている場合は葛西式手術の効果が得られない。肝臓内の胆管は詰まっているが肝臓は胆汁を作成し続ける為に肝臓内に胆汁が貯まって行く。これにより肝硬変がおこり肝移植が必要となる。

 

胆道閉鎖症手術2回目

手術自体は1回目と同様に予定どおり終了。一般病棟に移るまでの仮定も前回同様。便の色は前回よりさらに濃くなり翡翠の様な色になり期待が高まる。今回も前回の同様便の中に緑の固まりがあるような感じ。

しかし1週間もすれば便は元の状態に戻る。

正式に通達をうけた訳では無いが移植に向けてと言う方向性へかなり早い時点でなっていたと思うし、私自身もすでにあきらめていた。

そして6月末に正式に年末頃の移植手術を行う旨の連絡をうける。1歳ごろまで成長をさせ体のサイズが大きくなるのを待つ。ただし食道動脈瘤などの発生があった場合は手術の時期がはやまる可能性はあるとの事。ここで外科的な治療は一旦終了と言うことで小児科へ転科する。

 

服薬

この頃はかなりの薬を飲んでいた。

その中でも特に飲ませるのが大変だったのは漢方薬。粉薬だがかなり粒子があらいので自分で潰して他の薬とまぜる。

長女に飲ませる薬はこっそり味見をしていたが、この漢方の苦さは尋常なレベルではなかった。長女の抵抗も相当なものがあるので、口から溢れた薬を再び口に戻す作業を繰り返す。そんな毎日が続いていく。

 

ミルクの量

肝臓が肥大しており胃をを圧迫しているのかミルクをのむ量がどんどん減っていくこのころは1回のミルクの量が20ml程度しか飲めない。

また食道と胃の繋がる部分の折れ曲がりが小さいらしくミルクを飲んでもすぐに吐き出してしまう。成長とともに改善するらしいが、必要があれば手術になるらしい。(結果としては自然に改善するが1年半程の時間が必要だった)

この頃は決められたミルクの量を30分かけて口から飲ませ、飲めない分を30分かけてNGチューブで注入していた。これを3時間毎の1日8回行う。さらに浣腸を1日5回。

この頃が付き添いで体力的に辛い時期でした。

 

<移植までの出来事(3)につづく>

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