食事と成長(発育)の遅れについて考えてみる。
はじめに
むーしんさんは現在2歳8ヶ月ですが保健所の発達相談において約1年程の発達の遅れがあると指摘されています。
11月2日に幼稚園の親子面談、11月11日に要配慮保育に関わる保健所の診断があることから現在の発育の遅れについて考えてみました。
私は発達の遅れる原因のひとつとして食事がとれていなかった事が関係していると思っています。
これまでの食事の状況
生後約3ヶ月頃からミルクを飲む量が減っていき一回の量が20ml程度まで低下。これは肝臓の肥大が胃を圧迫している事が原因であろうと説明を受ける。その為に栄養については中心静脈栄養を用いて補充をする。
生後7ヶ月で離乳食へ移行。量としては数口食べる程度であるが、これは”口から食事をする”と言う行為を忘れない為のものであり栄養補給を目的とした食事ではなかった。
この状態が1歳の肝移植迄継続した。
移植後も食事量はすぐに増えない為に経管栄養を行う。経管栄養についても胃への注入(NGチューブ)と小腸への注入(EDチューブ)の2種類があるが胃の容量が少なくすぐに吐いてしまう為にEDチューブによる注入を選択する。21時間/1日の注入。
1歳10ヶ月毎から多少食事量が増えた事でNGチューブによる滴下注入に変更。66%濃度イノラスを1日600ml、4回に分けて注入。
2歳を過ぎた頃に注入量を少なくして体重の増加を確認した結果、3ヶ月間体重増加がみられず元の注入量に戻す。
現在(2歳8ヶ月)66%濃度イノラスを1日600ml、3回に分けて注入。
食事と成長(発育)についての考察
食事は当たり前ですが生命を保持する為に絶対に必要な行動です。したがい成長に対する初期の原動力は食欲と思います。食事をする為に、口を動かし、声を出し、指を使い、体を動かす。これが出来ないと自然界においては食事が出来ず生命の保持ができないからです
ここでむーしんさんの様に食事をしない場合はどうなのでしょう。この期間中、むーしんさんから食事を要求してくる事はありませんし、私達が食事をしている時に真似して口に入れることはありましたが吐き出し食べる事はありませんでした。外出時等に水を与えるも全く飲みませんでした。
つまりむーしんさんは食事に対する要求がほぼありませんでした。
ここで再度食事と発達について考えるわけですが、私の愛用している円城寺式発達検査表によれば全体的な遅れがありますが”基本的習慣”と”発語”が特に遅れています。
基本的習慣について内容を確認すれば特に初期状態の成長とは食事に関係する無いようが多い様です。むーしんさんは食事をしませんのでこの食事に関する発育が存在しません。食欲が無いので”指先でビスケットを掴み口へ運ぶ”作業をする必要はありませんし、”ストローで水を飲む”必要もありません。成長とは”出来なかった事が出来るようになる”事ですからそもそも必要がなければ成長しない訳です。
発語についても何か”要求”を周囲に伝える為に言葉をだすのでしょう。乳児にとって一番の”要求”とは空腹による食事では無いかと考えます。食欲の無いむーしんさんには要求自体が少なく発語をする必要性も低いのでは無いかと考えます。発語に関する初期の成長が無かった事がその後の発語に対する成長に影響を及ぼしていると考えます。(入院中から現在に至るまで私が常に側で看護をしていた事で、言葉を出さずとも要求が通ったと言うのも大きいと思います)
上記理由から『本来生命活動に不可欠なはずの食欲が初期の成長を促す動機として存在しなかった事が成長を遅らせた要因の一つ』と考えています。当然他にも成長を遅らせる要因があったと考えていますが、これが大きな要因と考えています。
現在では食事量は増えてきていますがそれでも食欲が十分では無いようです。食べさせれば食べると言う感じで最初から遊び食べをしている様な状態です。それでも少しずつですが食事量も増えてきており焦らず見守っていくしかありません。
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