肝移植までの出来事3

ロタウイルス感染

肝移植の決定とほぼ同じ頃、いつもよりひどい下痢がおきる。看護士に連絡すると念の為に便の検査をするとの話で便を採取される。長女は普段どおり元気そうなので散歩に行こうとすると主治医が飛んできて、私も含め部屋から一歩も出ない様に指示をされる。説明によると便からロタウイルスがでたらしい。

 

入院中で外に出てないわけで感染するはずも無いのだが小児外科には数日間入院して退院する患者も多く、ロタウイルスに感染していても症状がでる前に退院するケースもあるらしい。入院中の免疫の落ちている子供に皆んなが遊び、面会者等もいるフリールームは危険な様だ。

 

取り急ぎ個室が空いていたので個室に隔離される。すでに4ヶ月程入院して若干疲れていたが無料で個室を使用する事ができた。看護士からは『これから下痢が続くので大変ですよ』と言われたが下痢はこの1日だけでその後下痢が続くような事は無かった。

隔離期間は1ヶ月。症状が改善しても便からロタウイルスが出なくなるまでは1ヶ月程かかるらしくその間は病院の規定により隔離となる。

この間個室でのんびりは出来るのだが、一ヶ月の隔離生活はそれなりに苦痛ではあった。当然濃厚接触者の私も隔離対象であり、個室から極力出ない、コンビニは夜中に行く、電子レンジ等は使用しない、シャワーは一番最後、服は自分の部屋で漂白除菌後洗濯などを指示される。

この1ヶ月の漂白剤洗浄により私の全ての衣類が色落する事になる。

 

CVC感染

ロタウイルス感染から約1ヶ月半ごろ後通常病棟へ戻る。丁度夏休みに入っており通常病棟の空きが無く、二週間程は隔離とは関係なく個室で過ごしたがきりぎり夏祭りには間に合った。

 

一般病棟に移ると退院に向けた説明を受ける。『すでに食事がとれなくなっており通常であれば移植に向けて入院をする状態であり、すでに年末の移植を計画しているので、継続入院をしても構わないし、一時退院を希望するのであれば退院するのも良い』との話。
長女はまだ一度も病院外へ出たこと無い事もあり一時退院を希望する。退院期間は2ヶ月程度の予定。その期間中にドナー検査も行う。

 

退院に当たっては中心静脈カテーテル(CVC)の管理、栄養剤の交換等が必要であり退院に向けて練習する事になるのだが、ここにきて発熱がおこる。

検査結果は細菌の感染。中心静脈用のカテーテル(CVC)からの感染が疑わる。カテーテルの感染は退院後最も注意しなければならない問題のひとつであるが、病院で発生する頃になる。結果的に2週間の抗生物質治療が始まり退院準備が延期となる。ロタウイルスと抗生物質治療で退院が2ヶ月伸びたことになる。

 

成長の状況

外科的な治療が無くなった8月頃(生後7ヶ月)からいろいろ成長がみられる様になると同時に成長の遅れがはっきりしてきた。やはり完全にとはいかないが、自由に体を動かせる様になった事は大きいと思う。

また8月10日から離乳食を始める、この頃の主食は『必須脂肪酸MTCフォーミュラ』と言うかなりかっこいいミルクであったが、食事の練習もあり離乳食も始める。とは言え食事量は微々たるもので食事をする訓練の意味合いが強いものである。それでも食事を始めたと言う事だけでうれしく思う。

そして8月の末になるとやっと寝返りが出来る様になる。

成長の遅れは見られるがこれまでの経緯からすれば仕方がない所ではあると思う。

 

退院

抗生物質治療が終了し、在宅用の装置を使っての練習を行う。
栄養剤の交換やヘパリンロックなどは問題ないが、CVC固定ドレッシングの交換はそれなりに緊張する。CVCの汚染もあるが、ドレッシングが5枚で4000円弱もする。ちなみにこのテープは自己負担。

 

また平行して退院後の家を探す事になる。ネットである程度さがして仲介にいくが、私が無職と言うことで貸してくれる所が少ない(ほとんどない)。そこでURであれば、無職でも家賃1年先払いで貸してくれると言うことでURに決定し病院近くの物件を借りる。ちょっと古いがとりあえず生活するには十分。これで妻を日本に呼ぶ準備も完了。

 

一通り退院準備が済んだ時点で退院カンファレンスが行われる。私は使用で参加出来なかったが、担当医、担当看護師、訪問看護ステーション、保険センターの方が参加していた(はず)。そこで退院後の注意事項やフォロー内容が申し送りされる。また担当医より近くの小児科あてに紹介状を作成してもらう。

訪問看護ステーションは近所の訪問看護ステーションをソーシャルワーカーが手配してくれていた。

 

病院の規定により一泊の外泊を経て9月18日、ついに入院から約7ヶ月の時間を経ての退院となる。

 

 

はずが。。

 

 

退院日9月18日の早朝、寝返りを始めたばかりの長女がベットから落ちてしまう。気が緩んでベットの柵を下げたまま眠ってしまっていた。落下する瞬間気が付いたのだが間に合わず。看護師にかなり怒られた後、当直の医師に見てもらうことになる。

怪我等も無く問題無いだろうと思われるとの事だが、病院の規定でベットから落ちたら24時間の経過観察をする規定があり、退院日が1日ずれる事になった。

前日看護師さん達に退院の挨拶をしたり、写真を撮ったりしていたので非常にはずかしかった。

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